ホームページをご訪問いただいた方々へ

 この度、平成23年3月26日(土)開催の上都賀歯科医師会定時総会におきまして、会長としてのご信任を戴き、3期目の重責を担う事となりました。
 身の引き締まる思いであると同時に、多くの解決をしなければならない問題が山積しており、ゆるぎない気概で一歩前進すべく、決意を新たにしている処であります。

 

 また、3月11日(金)午後2時46分には誰もが経験したことのない東北地方太平沖大地震が発生し、未曾有の大惨事となってしまいました。被災を受けられた方々、或いは原発問題等により避難を余儀なくされた皆様に衷心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 当地区(栃木県鹿沼市・西方町)にも福島県飯舘村や南相馬市より多くの方々が避難されて参りましたが、少しでもお役に立てればと考え、支援物資(歯ブラシ・歯磨剤・紙コップ・入れ歯洗浄剤・入れ歯専用ケース・含嗽剤等)の供給、緊急アンケートの実施・分析、歯科的相談や応急処置等を行わせて頂きました。(※「お知らせ」欄参照)
 集団生活という制限された環境の中で、誤嚥性肺炎の予防やインフルエンザ等の感染症対策として、口腔ケアの徹底が不可欠であることを訴えながら、年齢も健康状態も様々な避難者の方々が、食事や会話等に支障をきたさぬように支援して参りたいと考えている所存であります。

 

 さて、上都賀歯科医師会は大正14年に発足し、満85年の齢を重ねて今日があります。その間多くの諸先輩の先生方が築き上げられてきたものは、如何にして地域住民の方々の歯や口腔の健康に主眼点を置き、全身の健康維持増進をも図り、人が人としての暮らしや尊厳を守るということであり、今後もその高邁な精神は維持させていかなければと肝に銘じている処であります。

 

 当歯科医師会の主な事業としては新米パパママ学級、2歳児教室、楽しく学ぶ”親子むし歯予防教室”、フッ素イオン導入等のむし歯予防対策や啓蒙から始まって、歯周病対策としての歯周疾患検診(節目健診)や歯科ドック(お口の人間ドック)等を行っており、とりわけ歯科ドックに関しましては平成8年に全国初の試みとして始まったものであり、今後内容の再検討も含めて更なる充実を期しております。


 その他、学校健診はもとより休日急患歯科診療、障害者歯科診療協力、寝たきり老人等の在宅訪問診療、介護審査会協力、鹿沼地区歯科医師警察連絡会による身元不明死体等の捜査協力、市民向けの各種研修会開催等、数えればきりがありませんが、充実した内容の活動を行っているものと自負しております。(※詳細に関しましては当ホームページの各項目をご笑覧戴ければ幸いです。)

 

 また、現在進行中であり、万全を期しているものとして、前述の歯科ドックの見直しがあり、時代に即したものを提供したいと考えております。
 次に、85周年という一つの節目を目指して、会長就任以来5年という月日を費やし記念誌を発刊すべく、編纂委員会を中心に資料の収集、聞き取り調査、各年代毎の事業の分別等を行って参りましたが、現在推敲中であり、近いうちに発刊出来るものと安堵している処であります。
 さらに、法人改革に端を発した問題で、栃木県歯科医師会が一般社団法人を目指す事となり、今後の円滑なかつ永続的な関係を維持すべく、私達上都賀歯科医師会も法人化に向けて動き出した処であります。
 これからの課題としては、昨年12月の栃木県議会において可決され、本年4月施行の「県民の歯および口腔の健康づくり推進条例」が、有名無実とならないように行政及び関係者の皆様と十二分に協議をしながら地域版の歯科保健推進条例を目指したいと考えている処であります。但し、ここで申し上げたい事は、条例制定が目標ではなく、それを通じて市民の皆様がライフステージを通して、きめ細かな対応を享受出来ること、ひいては少子高齢社会の中で住民お一人お一人がQOLの高い人生を全う出来る社会を実現する事であり、歯科医師会として微力ではありますが力を傾注して参りたいと考えております。

 

 結びにあたりまして、私のモットーは難しいことはなるべくシンプルに考えて対応し、簡単なことはちょっと待てよと慎重にかつ十二分に検討する努力をすることであり、「役に立つか、わかりやすいか、やりがいがあるか」を常に念頭に、行政・三師会・衛生士会の皆様と共に手を携えて、地域住民の方々が心身共に健康な身体で長寿を全うできるように歯科医療という職責を通じてその責務を果たしていく所存でございますので、旧に倍するご指導ご鞭撻を切にお願い申し上げましてご挨拶と致します。

 

『一人一人の努力は足し算、皆で協力すれば掛け算』を願って・・・

 

平成23年4月1日

 

上都賀歯科医師会会長 佐川徹三