☆中学校☆

 

●最優秀賞

『もう始まっているオーラルフレイル予防』 鹿沼市立南押原中学校 2年 神山 琴羽

 

  私の姉は神奈川県で歯科衛生士をしています。この前会った時に、たまたま歯の話になりました。
「歯が多く残っている人の方が、歯が残っていない人と比較して、認知症の危険性が低くなるんだよ。」
それを聞いて、私は祖母のことを思い浮かべました。私の祖母は、七十四歳で、1人で暮らしています。祖母はすでに何本か歯がありません。今はまだ元気に仕事していますが、認知症になりやすいのかと思うと、とても心配になりました。
   さらに、私自身が最近歯医者さんから言われた言葉も思い出しました。
「君は普通の人に比べて、むし歯になりやすい体質だね。」
   もともと私はめんどくさがり屋で、歯磨きもあまりしっかりやらず簡単にすませていました。やがて、むし歯ができてしまい、歯医者さんに治療してもらいました。そのときに、歯医者さんに歯磨きの仕方を教えてもらったのですが、私はそれを守らず、いい加減な歯磨きを続けていました。すると、ついには、大きなむし歯になってしまいました。
   小さい頃から歯医者さんに通うことが多かったのは、ただでさえ私は他の人よりもむし歯になりやすかったからでした。それなのに歯磨きまでいい加減にしていたことを後悔しました。もしかしたら、祖母も私と同じような状況で、歯を失ったのかもしれません。将来、私も祖母のようになるのでしょうか。心配になった私は、あとで母にそのことを相談しました。すると、母は、姉が言っていたことを知っていました。
   8020運動と言って、80歳で20本以上の歯を保つことは、体の健康を保つことにつながるそうです。さらに、オーラルフレイルと言う口腔機能の低下が、体の病気にかかりやすくなることはもちろん、認知症の発症や、要介護になる危険性とも関わりがあることを教えてくれました。オーラルフレイルを防ぐには、健康な歯を保つことや歯周病を予防することが大切なのだそうです。私は歯の健康が体全体の健康にも関わりがあるとは思ってもみませんでした。
   歯をきちんと磨くの重要性、定期的な歯科検診や歯のスケーリングの意味が、ようやく理解できました。歯周病の怖さや歯の大切さを改めて感じました。                日本は今、高齢化社会になっています。認知症や要介護、医療費の増大は社会問題にもなっています。オーラルフレイルを防ぐ事が、高齢になっても健康な生活を送ることにつながることを、もっとたくさんの人が知って取り組むことが大切です。多くの人が高齢になっても良い歯を保ち、豊かな食生活を送ることができれば、歯や口腔機能の低下からの病気を防げると思います。
   祖母にはいつまでも健康でいてほしいと思います。そのために、祖母にも口腔管理を進めたいです。私も、いつまでも、自分の歯で健康で豊かな食生活を送れるようにしたいです。特に私の場合、私自身の体質が健康寿命の決め手になってきます。歯医者さんに診てもらいながら、口腔管理をしっかりしていくことが大切だと思いました。         私たちが年をとっても健康な生活を送るための「オーラルフレイルの予防」はもう始まっているのです。