☆中学校☆

 

●最優秀賞

『矯正で笑顔』 鹿沼市立西中学校 1年 鈴木 春佳

 私は幼いころ、歯並びが悪かった。そのことに気付いてからは、急に自分の歯が恥ずかしく感じられて、人前で歯を出して笑うことを避けていた。
 「矯正」を始めたのは、小学校五年生のころだった。私の母も矯正をしていたが、始めるのが遅過ぎて、治らなかったという。治らないというのは嫌だった。それに、矯正は見た目も変わるし、痛そうだと思い、始めるかどうが迷った。けれど、このままの歯並びよりは治った方がいいという思いと、両親の勧めによって、私は矯正を始めることにした。
 初めて矯正器具をつけた日の夜は痛くてろくに物が食べられなかった。その時は、矯正なんて始めなければよかったと、半ば後悔し始めていた。しかし、効果は徐々に表れてきた。私は一つ一つの歯が大きくて、収まっていない感じだったのが、矯正で歯と歯の間を少しずつ空けていき、矯正を初めてから二年ほど経った今では、二年前とは見違えるほど歯並びが良くなった。
 始める前は、自分の歯が嫌で、欠点のように感じていた。でも、矯正を始めて、歯並びが良くなってきてからは、歯を見せて思いっ切り笑うことができるようになり、自分の歯に自信を持つことができた。
 この経験を通して私が学んだことは、「あきらめずに選択肢を探すことの大切さ」だ。矯正を始める前は、「生まれ持ったものだから、しょうがない」と治すことをあきらめてしまっていた。けれど、矯正という選択肢を知って、どんよりと曇っていた心に少しだけ光が差しこんできたように感じた。あきらめないで探し求めることは、簡単ではないかもしれないけれど、大切なことだと痛感した。
 また、矯正は、自分がやりたいと言っただけでは始められるものではない。お金だってかかるし、通院もしなければいけないので、家族の協力が必要不可欠だ。しかも、つけ始めのころは固形物が食べにくいので、食事を工夫する必要がある。そのため、家族には、たくさん迷惑をかけてしまった。これから、時間はかかるかもしれないが、家族に恩返しをしていきたいと思う。
 矯正を始めたことで、自分の歯に自信を持てたし、あきらめないことの大切さを学ぶことができた。まだ長くない私の人生においてこの経験はとても重要なものだ。矯正を始めることができて、本当によかったと思う。負担をかけても、私のために協力してくれた家族には、本当に感謝している。そして、最近矯正を始めた弟にも、歯並びをきれいにして、笑顔が素敵な人間になってほしいと思う。
 長い期間私の歯並びをよくするために、親身になって治療してくれた歯医者さんや歯科衛生士さん。私は今明るく笑うことができます。本当にありがとうございます。