平成14年度 作文入賞作品

☆小学校低学年☆

●最優秀賞

『健こうな歯をめざして』 粟野町立粕尾小 三年 原田 裕理

 わたしは、健こうな歯、じょうぶな歯をめざして、がんばっていることが三つあります。
 一つめは、あまいおかしは、できるだけ食べないこと、二つめは、牛にゅうや小魚をおやつの中に取り入れていくこと、三つめは、食事の後のハミガキは、かならずやるということです。
 とくに、ねる前のハミガキは、しっかりやるようにしています。まず、夕食後すぐにハミガキをします。おふろに入った時もまたハミガキをします。ゆぶねにつかりながら、歯のこまかいところをていねいにみがいています。歯と歯のすきまがとくによごれがたまりやすいので、歯ブラシの向きや角どをかえてブラッシングしています。だから、今年の歯のけんさでは、虫歯がありませんでした。お母さんが、
「大人の歯にはえかわる時だから、ハミガキをしっかりやらなくちゃね。」
と、よく声をかけてくれます。
 二年生の時、しこうそめだしテストをした時に、歯と歯の間や力もちのおく歯が真っ赤にそまりました。これではいけないと思ってその時からハミガキをがんばっています。
 きょ年は、にゅう歯が虫歯で、ちりょうしましたが、今年は虫歯がなかったので、すごくうれしかったです。
 これからも、自分の歯を一生大事に守っていきたいと思います。


●教育長賞

『自分のはをまもるために』 鹿沼市立楡木小学校 三年 新井 めぐみ

 わたしは、小さいころから、はみがきがきらいでした。はみがきがきらいだったわけは、はみがきこのせいでした。お母さんが買ってくれたはみがきこは、わたしのきらいなあじだったのです。
 もともと、はみがきがあまりすきじゃなかったので、はみがきをしなくなってしまいました。
 でも、小学校に入学して、はのけんさの日がありました。そのけっか、わたしには、虫ばがあることが分かりました。だから、はい者さんに行って、虫ばをなおしてもらいました。けれど、わたしは、まだ、はみがきをしようとは思いませんでした。
 二年生のはのけんさになりました。けっかは、やっぱり虫ばがありました。はい者さんで、また、なおしてもらいました。それからは、「すこしは、はをみがかなくちゃいけないな。」と、思うようになりました。
 そして、今年、三年生のはのけんさの日、やっぱり、虫ばがありました。虫ばは、なおすだけではだめなことが、やっと分かりました。はをみがいて、いつも、口の中をきれいにしておかないと、次々と虫ばになってしまうことに気がつきました。
 はい者さんに行って、虫ばをなおしてもらってから、こんどは、はのみがき方を教えてもらいました。わたしの今までのみがき方と、全ぜんちがっていました。
 わたしは、自分のはを守るために、これからは、しっかりとみがいていこうと思います。


●優秀賞

『たいせつなは』 鹿沼市立さつきが丘小学校 二年 高山 遥

 日よう日に、ガムをたべていたら、つめていたぎんがとれてしまいました。月ようびにおかあさんが、はいしゃさんにでんわをしてよやくをとってくれましたが、こんでいて、すぐにはとれませんでした。
 そのあいだ、かたほうのはしかつかえないので、よくかめないし、たべおわるのもじかんがかかって、とてもふべんでした。
 はいしゃさんにいくと、もういちどけずりなおして、
「ガムやキャラメルは、たべないで下さい。」
と 言われました。大すきなおかしもたべられないし、あたらしいぎんが入るのに、それから一しゅうかんもかかって、そのあいだとてもたいへんでした。
 いつもは、あまり気にしないでつかっている、たった一本のはも、ほんとうは、とてもたいせつな一本なんだとおもいました。これからは、今までよりも一本一本をていねいにみがいて、むしばにならないように気をつけようとおもいました。


●優秀賞

『お父さんのはと家族』 鹿沼市立清洲第一小学校 三年 平野 美幸

 「まだまだだぞ。」
と言いながら、お父さんは、毎日はをみがいています。そして、家族の中で一番長い時間みがいています。それだけではありません。虫ばが一本もないし、はいしゃさんでなおしたはもなくて、真っ白なのです。これは、五十才になるお父さんの自まんです。
 どうしてかというと、四分から五分間毎日三回、朝、昼、夜とていねいにみがいているからです。わたしも、お父さんといっしょにみがいていて、やめようとすると、
「もうすこしていねいにみがきなさい。」
と言われて、また、おくのは、前ばというようにみがきなおしをします。
「もういいでしょ。」
と言って時計を見てみると、ちょうど五分間なのです。お父さんは、時計を見ていないのに、時計のようにせいかくに五分間みがいています。
 でも、お母さんはちがいます。虫ばがあるのです。お母さんもちゃんとはをみがいています。それなのに虫ばがあるのです。どうしてかというと、はをみがいても、すぐにおわってしまいます。
「いろいろいそがしいから、いつまでもみがいていられないのよ。」
と言って、あっという間におわしてしまいます。お母さんは、お家の仕事と会社の仕事をやっているのでしかたがないのかなぁと思っています。
 わたしには、おにいちゃんが二人います。一人は中学三年生で、もう一人は大学へ行く勉強をしていますが、二人とも虫ばがありません。小さいときから、お父さんに教えてもらったとおりに長く、はのすみずみまでていねいにみがいているからです。
「はがじょうぶだと、けんこうな体でいられるからな。」
と、いつも言いながらみがいています。だから、お父さんと同じように真っ白なはです。
 お父さんは、
「小魚を食べて、カルシュウムをたくさんとると、はがじょうぶになるよ。」
と言って小魚を食べさせたり、
「よくかんで食べな。三十回くらいかんでからのみこむんだよ。」
と、ごはんを食べていると教えてくれます。
「パクパク、ドクン。」
と、よくかまないでのみこんでしまうからです。
 わたしのははおにいちゃんやお父さんのようにきれいなはではありません。虫ばがあるのです。でも、これいじょう虫ばにならないように、お父さんに教えてもらったようにはみがきをして、きれいで、じょうぶなはを作ろうと思いました。
 家族にとってお父さんは、おいしゃさんです。それだけではありません。けんこうについていろいろ教えてくれる先生です。だからお父さんは、わたしたち家族にとって、とても大切です。
 今までは、ちょっぴりめんどうだなあと思ったこともあったので、これからは、自分のはをまもるために、お父さんの言うことをよく聞いて、毎日、ていねいにはみがきをするようがんばろうと思いました。


☆小学校高学年☆

●最優秀賞

『おばあちゃんの言葉』 西方町立真名子小学校 6年 鳩山 彩香

「あやちゃんは歯がきれいだね。でも、もう少し細かいところに気をつけてみがいたほうがいいよ。」
この前、歯医者さんにみてもらったときに言われた言葉です。私は、歯をみがくことをとてもめんどうに思ってしまうことがあります。そんな時はどうしても細かいところまでみがこうという気持ちにはなれないのです。そんな私を見て、ある日おばあちゃんが言ったのです。
「あやちゃんはいつもてきとうにみがいていて細かいところまでみがけていないでしょう。きちんと細かいところまでみがかないと、そのうちに歯が抜けて、全部入れ歯になっちゃうよ。入れ歯なんて本物の歯ではないから食べ物の本当の味がわからないし食べ物がおいしく感じられないこともあるんだよ。」
 その話を聞くまで、私は食べ物の味がわからなくなったり、おいしく感じることができなくなったりということは、考えもしませんでした。一度抜けた大人の歯は、二度とはえてこないというのは知っています。だから今のうちから、細かいところまでしっかりみがかなければならないと強く思いました。
 翌日からわたしはていねいさを意識して歯みがきをしています。でもていねいさを意識するほど、歯みがきの難しさを感じるようになりました。毎日続けることの難しさ、細かいところまでみがくことの難しさ、力の入れ具合の難しさ…。学校でのカラーテストの時にも改めてその難しさを感じました。ていねいに細かいところまでみがいたつもりなのにみがきのこしがあるのです。まだまだ不十分なのだと思いました。
 それから一週間がたちました。私はその間歯医者さんにほめられたいという気持ちと、将来の自分の歯のことを考えて、細かいところまでていねいにみがきました。いよいよ歯医者さんにみてもらう日がきました。どきどきしていると、
「とてもきれいになっているよ。うん。細かいところまできれいにみがけている。これからも毎日ていねいに歯をみがくんだよ。」
と言われました。自分の歯のみがき方をほめられたことがとてもうれしく、毎日がんばろうと決意を新たにしました。
 あの時、もしおばあちゃんが話を聞かせてくれなかったら、ひょっとすると私は今でもいいかげんな歯のみがき方をしていたかもしれません。そしてそれを続けていたらと思うととてもおそろしい気がします。
 いつまでも自分の歯で、食べ物の本当の味をしっかりと味わっていけるよう、これからもしっかりとそしてていねいに歯みがきをしていきたいと思います。

 

●教育長賞

『よい歯って何だろう?』 鹿沼市立南押原小学校 5年 橋本 亜莉沙

 私は、虫歯がなくて、歯並びが良いのが良い歯だと思っていました。
 でも、
「歯って自分の体の一部として、どんな働きをしているのかな。」
と考えた時から、歯の役わりについて調べてみたいなと思いました。
 まずは、歯といえば、食べ物をかむ、ということです。よくかんで食べることは、だ液をたくさん出して、その先の胃の負たんを軽くするだけでなく、満ぷく感をあたえて、食べすぎを防ぐということが分かりました。あごの発達を助けて、歯並びの調整にも大きくえいきょうすることが分かりました。歯並びがいいということは、見た目の清けつ感のことしか考えていませんでしたが、かみ合わせによって、体型や内ぞうのバランス、力の発き力にまで、変化をもたらすそうです。
 そして、歯には、色々と種類があります。「おく歯」「糸切り歯」「前歯」と三種類あります。その三種類がないと、口の中で食べ物をよく細かくする事ができません。なので、ひどい虫歯になって歯をぬくことになったら大変です。もしその歯がまだ生え変わっていない歯だったら、またちがう歯が生えてきますが、生え変わってしまった歯だったら、もう取り返しがつきません。そんな事が起こらないように、よい歯を保たなければいけません。そのためには、どうしたらいいのか考えてみました。
 それは、歯みがきをすることです。でも、ただいいかげんにみがいているだけではだめです。なぜかというと、歯に食べ物のカスが 残ってしまうからです。それをなくすためには食事の後や、朝起きた時、そして夜ねる前に欠かさず歯みがきをすることです。つまり食後すぐに、きちんと細かくていねいにみがくことが大切です。そのためには、自分にあった歯ブラシや歯みがき粉を選ばなくてはなりません。みがき方も、上の歯は上から下に、下の歯は、下から上にみがきます。その他、歯の内側やおく歯の上をみがきます。それと、あまい物は、時間を決めて食べるようにして、いつまでも、口の中に入れておかない事も大切です。また、食べ物について調べてみたら、歯をじょうぶにする食べ物がある事も分かりました。それは、リンゴやトマト、にんじん、大根、チーズ、キャベツ、牛乳、小魚などがあるそうです。
 今回、よい歯についていろいろと考えた結果、歯は、大切な役割をしていることが分かりました。これらのことをきちんと守って、自分の歯をいつまでも大切にしたいと思います。

 

●優秀賞

『毎日つづけて歯をみがこう』 鹿沼市立永野小学校 4年 斉藤 初美

 私達の学校では給食を食べた後、歯みがきのし方のビデオを見ながら歯をみがいてます。その歯みがきのし方は、まず、上の歯の外側から前歯にむけて、みがきます。それが終わると、下の歯の外側を前歯にむけて、やります。その次に、上の歯の内側をやります。下の歯の内側もやります。そうすると、本当に三分かかります。それでもたまに、しこう検査をやると、赤いものがついています。歯みがきってとってもむずかしいのだなと思いました。歯みがきをした後は、とても口の中がすっきりします。小さいころは、私は、歯みがきなんか、めんどくさいなとか、今日は、みがかなくてもいいやとか思っていました。でも小学三年生ぐらいになってから、きちんとみがかなくては、いけないなと思う様になりました。親からも、「大人の歯は、一生使うのだから大切にしなさい。」と言われています。それなのでいつもいつも気をつけながらみがいています。大人の歯は、大切にとっておきたいな、と思います。
 私の前歯のほとんどは、大人の歯になってきました。でも、私のあごは、せまいので歯が入りきれずに横から出てきてしまうため何本かばっ歯しました。かたい物をなるべく食べる様にと言われ、よくかむ様に注意しています。牛や馬の歯は、かたくて、じょうぶでいいな、と思います。私は、草をバリバリ音をたてて、食べているのを見た事があります。とてもおいしそうでした。
「歯がじょうぶだと、食べ物は、おいしいし味もよく分かるし、お腹にもいいんだよ。」とよくおばあちゃんがいっています。考えたら、歯が痛かったら食べる気もしないし消化も悪いなと思います。歯の役割って色々あるんだなと思いました。これからも、私は、かたい物もたくさん食べて、あごをきたえ、じょうぶな歯を作っていきたいです。そして、年をとっても自分の歯で食べられる様にしたいです。

 

●優秀賞

『今が かんじん』 鹿沼市立粕尾小学校 6年 鈴木 愛佳

「いたたたた。」
こたつでおせんべいを食べていたおばあちゃんが、大きな声を出し、あわてて口を押さえています。そして洗面所で入れ歯をはずして洗い、もどってきました。
「あー 痛かった。」
「おばあちゃん、どうしたの。おせんべいを食べただけなのに虫歯でもあるの。」
「入れ歯をしているとだめだねえ。かたいせんべいは、やっぱり食べられないよ。食べかけが歯の間に入っていたようだね。」
「ねえ。そんなに痛いものなの。」
質問するとおばあちゃんは、入れ歯をしていてつらいことをたくさん話してくれました。
 まず、とにかく、かみずらいそうです。食べることが楽しみだったおばあちゃんも、食べる楽しみが減ってしまいました。
「なるほど、パリパリとたくあんも食べられないのか。ガムもかめないのか。おもちを食べれば、入れ歯がくっついてしまうなんて。さっきみたいに食べかすが歯の間にはさまったらとてもいたいんだろうなあ。」
 次に、歯みがきがとても大変だそうです。細かいものがはさまるので、食べるたびに歯みがきをします。この時もはずすのがめんどうで、とても時間がかかります。みがくのも入れ歯専用のブラシがあるらしく、夜は薬につけておくのだそうです。自分の歯もみがかなくてはなりません。
「入れ歯の管理ってめんどう。おばあちゃんって毎日大変なんだね。私なんて自分の歯みがきだけでも、おっくうなのに。」
 そして一番つらいのは、入れ歯を一日中していると、何か変な感じがして、イライラすることです。自分の口や歯に本当にぴったりと合う入れ歯がなかなかないらしく、一日中気になることもあるそうです。
 そんなおばあちゃんを見て私は、
「こんなに大変だったんだ。だからお風呂上がりが長かったんだ。洗面所で入れ歯を洗っていたんだね。これからは、ゆっくり使ってね。」
 私の歯もほとんどぬけかわり、永久歯です。ずっと使わなくてはいけません。あと何十年この歯を使うんだろう。つき合って行くんだろう。今から、将来入れ歯にならないように気をつけなければいけないのです。まずは歯みがき。あんまり好きじゃないけれど、すっきりしないから必ずみがきます。それにかたいものを食べること。スルメやおせんべいもいっぱい食べて、あごをじょうぶにします。そして、カルシウムをとること。牛乳もかかさず飲み、小魚も食べて、歯にカルシウムが行きわたるように心がけます。
 これから何十年もつき合う大切な歯。こわしてからではもうおそい。今、スタートがかんじん。今から、歯を大切にして、自慢できる歯にしていこうと思います。

 

☆中学校☆

●最優秀賞

『自分で守る自分の歯』 鹿沼市立南押原中 三年 荒井 将太

 人間の体の中で、最も硬い組織で作られて いるのが、普段はあまり気にしない歯です。
成人の場合、通常は二十八本ですが皆さんは きちんとありますか。ぼくは二十九本ありました。これら数多くの歯は、切歯、犬歯、臼 歯と大きく分けて三種類に分けられています。
そして、それら一本一本にはそれぞれの重要 な役割があります。だから、それらの歯はかけがえのないものなので非常に大切なものだ と思います。なぜそこまで大切だと言うのか。
それは、歯を一本でも失うと大変な事になる と思うからです。例えば元プロ野球選手の王さんは、むし歯にならないように人一倍歯に は気をつけていたそうです。それはなぜでしょう。それは、人間というのは歯の上下のか み合わせの関係で、体全体の力の入れ具合いが大きく左右されるのです。だから王さんは そのことを知っていて歯には気をつけていたのかもしれません。
 ぼくが小学校四年生の時でした。虫歯があ り恐いのを必死にこらえ、歯医者へ行った時の事でした。ぼくは比較的歯の抜け変わりが 遅く、なかなか抜けなかったので、 「歯ならびが悪くなってしまうおそれがあるので前歯二本を麻酔して抜いてしまおう。」 と、言われました。その場にいた自分は、た だでさえ恐いのに無理やり歯を抜くなんて言語道断。絶対に嫌でしたが、ギッギーという 歯を抜く音に怯えながらも、やっとの思いで抜いたのです。 今、思えば、あの時の歯医者さんの判断は正しかったと思います。あの歯医者さんのおかげで前歯は少しだけずれていますが、だいたいは整っています。 このように今の世の中、歯はどうにでも助かってしまいます。しかし、虫歯一つを放置すると脳や 臓器などに障害が生じ思わぬ病気になってしまう可能性も十分考えられるし、時には生命の危険にさらされる事がまれにあるのかもしれないのです。
縄文時代にさかのぼって考えてみると今のように歯医者はいないのです。それではどうしたのでしょうか。まず今と比べて虫歯になる確立はかなり低いようです。それの一番の理由は食生活です。昔は今のようにケーキとか甘い食べ物はないと思います。その代わり、 木の実、魚、狩をして捕らえた動物など、イメージしただけで虫歯のなりにくそうな食べ物ばかり食べてたことでしょう。現代は、昔では考えられないような種類の食べ物が普及 しています。これは食生活が発展してきた証拠です。 しかし、それとは引き替えに容易に 噛み切れてしまう食べ物が多くなってきました。 その結果、あごが大げさにいうと退化してきてしまっているのです。そういう時代だからこそ、ぼく達の一番大事なことは歯を大切にすることだと思います。それにはかかせないのが歯みがきです。一日五分を二、三回 たった少しの時間が歯の寿命を大きく左右します。 そのことをよく考え、毎日の歯みがきの習慣のつみ重ねをしっかりとし、自分の歯 は自分に力できちんと守っていけるようにしたいものだと思っています。


 ●教育長賞

『"八○二○"の実現のために』 鹿沼市立南押原中 三年 橋本 紗也加

 小さいときに、おそらく誰もが言われる言葉。
「しっかり歯を磨きなさい。」
小さい頃、私はこの言葉を聞かなかった日など、一日も無かった。 (お母さん、いつも同じこと言っているけど、何なのかな)などと、幼いながらに心の中でよく呟いたものだ。
 小学生になってからは、もうその言葉を言われることは少なくなった。しかしそのかわりに、自分で「歯」について意識することが 多くなった。  中学生になった今では、歯科衛生士である母から、「歯」 についての知識を得ることが多い。しかしその内容は、 「もう中学生なんだから、いいよ・・・」 と、ついつい心の中で叫びたくなってしまうようなものばかりなのだ。例えば、正しい歯みがきの仕方や、歯みがきをしないと、どうなってしまうかなどである。
 しかし、ある日を境にして、私の「歯」と 「口」に対する考え、母の話に対する考えが がらりと変わった。その日、私はいつもと同じように、母から話を聞かされていた。(まただ。 また始まったあ。)と思っていたのだが、 ある言葉を聞いた瞬間から、私は母の話にくぎ付けになった。その言葉は、今、若い人たちの間でも少し問題になっている、「歯周病」と言う言葉 だ。歯周病とは、歯垢などが原因で歯肉に炎症 が起きる病気だ。母の話によると、歯周病は口の中だけではなく、脳の働きをも蝕んでいってしまうそうだ。私は、ゾッとした。 (考えが甘かった。そんなに大変なことになってしまうなんて知らなかった。)と思った。その日の夜から、私は鏡で見ながら、細かく、時間をたくさんかけて歯みがきをしていくことを決めた。それは今でも続いている。 その結果私は毎日歯みがきをした後、 とても気持ちが良い。
 歯みがきって、気持ちいいこと。悪いことなんか何もない。歯がきれいになると同時に、脳の働きを守る、まさに一石二鳥だ。
 歯みがきをすることはめんどうなことだと考えている人に、私はこう言いたい。 「歯みがきに、あなたの未来がかかっているんです。もっと身近に感じてみてはどうでしょうか。」
 そんな私には、歯に関して目標がある。 それは、ズバリ「八十歳になっても、二十本の歯を活かす」ことだ。私が約六十年後の頃になったときに、そのことが必ず実現できているように、これから先しっかりと心がけ、実践していきたいと強く思っている。

 戻る
 戻る