☆中学校☆

 

●教育長賞

『健康な歯を目指して』 鹿沼市立西中学校 2年 大出 桃加
 私の夢は、歯科医師になる事です。そう思うようになったのは、その大切さを教えてくれた両親のおかげです。
 父と母は、虫歯でほとんどの歯を治療しているので、私は幼い頃から歯を大切にしなさいと言われてきました。実際、幼稚園まで母が仕上げ磨きをしてくれて、小学校になってからは、私が歯を磨いた後にチェックをしてくれました。そのため、私は今までむし歯は1本もありません。
 しかし、小学5年生のある日、夕食の途中で左の奥歯に激しい痛みを感じました。私は、それからの度重なる激痛で食事をすることができなくなりました。歯医者で診察を受けたところ、歯が欠けていて、噛む時に歯茎に負担がかかっていることが分かりました。その歯は幸い乳歯だったので、永久歯に生え変わってからは、痛む事がなくなりました。
 いつも万全に歯のケアをしているつもりでしたが、この出来事があって以来、歯の役割について関心を持つようになりました。歯を大切にするということは分かっていますが、それが体全体の健康やこれからの私の成長に大きく影響しているという事は最近になって知りました。ものを噛む、味わう、話す、力を出しバランスを保つ、美しく見せるなど、歯の働きはさまざまで、健康のために重要な役割をしています。
 私は、もっと歯の健康に気をつけ、大切にしなければならないと思いました。また、自分の歯でたくさん噛むと脳が活性化し、脳への血流が増えて活動が活発になりそうです。私の脳が成長している今も、将来にわたり、歯と歯茎の健康が一番です。
 さらに、むし歯を放置すると、歯以外にも支障が出ます。最近、社会全体で助け合いが必要となっている認知症も、歯がない人の方が、発症しやすいそうです。
 先日、祖母の家に泊まりに行ったときの事です。夕食の時、祖母はご馳走を前に、「入れ歯で食べると物の味が落ちるんだよ」と言っていました。祖母は、歯をむし歯にしてしまった事を後悔しているようでした。そして「ももちゃんは、自分の歯でたくさん噛んでいるから頭が良くなるよ」と言いました。むし歯がなく、美味しく食べたり、楽しく話せるのが私のひとつの自慢です。心身共に健康で丈夫な歯でいられる事を、あらためて、両親に感謝しました。
 両親や祖母の事を通じて、人が健康を維持する上で欠かせない大切な部位であると実感しました。
 スタート地点に立ったばかりですが、後日、マイチャレンジと言う職場体験学習で、歯科医院に行きます。そこで、歯科医師の仕事を見学させてもらい、夢が実現できるように、一生懸命学びたいと思います。
 様々に病んでいる患者さんの歯の痛みや苦痛をとってあげたり、歯を失ったり並びが原因で食べ物が満足に噛めないのを丁寧に修復している歯科医師のように、私も患者さんを自分の技術で救える歯科医師になりたいです。将来は歯の専門医として、小さな子からお年寄りまで一人でも多くの患者さんの機能を回復し、心から人のために尽くし、健康で長寿の国になれるように貢献していきたいです。